BFT名古屋 TECH BLOG

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【GCP・GCE】これからGCEを作成するために考えること

初めに

こんにちは。株式会社BFT名古屋支店ないとうです。
GCPについて学習する機会があったので今回はGCE(Google Compute Engine)についてサービスを利用する前に知っておきたい基礎知識を紹介したいと思います。

目次

GCEを作成する前に

GCEはGCPが提供するサービスの1つで、クラウド環境で使用する仮想マシンであるインスタンスの作成と管理を行います。
GCPではチュートリアルとしてインスタンスの作成方法についての内容が準備されており、簡単にインスタンスを作成することができます。
その中で様々な設定を行うことができますが、今回はGCEを使う際に必ず設定しなければならない3つの要素「マシンシリーズとマシンタイプ」・「リージョンとゾーン」・「ブートディスク とイメージ」について説明していきます。
事前にこれらのことを知っておくことでより自分の要件にあったインスタンスを作成できるようになると思います。

マシンシリーズとマシンタイプ

インスタンスに使用するCPUの性能を決定する部分です。
大枠としてCPUの種類を決定するマシンシリーズとマシンシリーズの中で細かくメモリやコア数を決定するマシンタイプによって性能を決定します。

マシンシリーズ

マシンシリーズには大きく分けて汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化、アクセラレータ最適化の4種類があります。 汎用マシンシリーズはE2,N2,N2Dなどの種類があります。
このマシンタイプはコストパフォーマンスに優れており、幅広い用途で使用することができます。
コンピューティング最適化マシンシリーズはC2,C2Dなどの種類があります。
このマシンタイプは1コアあたりの性能が最も高くゲームサーバなどのCPU負荷の高い用途に適しています。
メモリ最適化マシンシリーズはM1,M2などの種類があります。
このマシンタイプはデータベースやデータ分析などのメモリ使用量の多い用途に適しています。
アクセラレータ最適化マシンシリーズはA2などの種類があります。
このマシンタイプはGPUを搭載しており、機械学習のトレーニングなどコンピューティング最適化より負荷の高い用途に適しています。
まず自分がインスタンスを使用する用途をもとにマシンシリーズを決定できるとよいのですが文章だけで理解するのは難しいので簡単に特徴を表にまとめました。

マシンシリーズ 特徴 主な使用用途 値段/1か月
汎用マシン 価格と性能のバランスが良く使い勝手が良い 開発環境
ウェブサーバ
$62.75~
コンピュータ最適化マシン 1コアあたりのパフォーマンスが最も高い ゲームサーバ $136.874416~
メモリ最適化マシン メモリ構成が最大 データベース
データ分析
$3931.4807~
アクセラレータ最適化マシン 最大16個のGPUが使用可能 HPC
機械学習
東京リージョン
では使用できない

マシンタイプ

マシンタイプではvCPUの数とメモリのサイズを決定します。
ここで具体的なインスタンスの性能を決定します。
このマシンタイプは事前にvCPUの数とメモリのサイズが決められている事前定義タイプと、自由にvCPUの数とメモリのサイズを決められるカスタムマシンタイプがあります。
カスタムインスタンスタイプは自由に決められる代わりに値段が高くなっています。
GCPGUI上で選択するときに課金額が表示されるので、こちらを参考に要件と予算から自分に合ったマシンタイプを考えてみてください。

リージョンとゾーン

リージョンとゾーンではインスタンスを作成するサーバをどこに置くかを選択します。
みなさまご存じかと思いますが、クラウドと言えどどこかにはサーバを設置する必要があるため、こちらのリージョンとゾーンは必須の項目になっています。

リージョン

リージョンはどの地域に設置するかというもので全世界の内GCPがサーバを持っている地域を選択することができます。
しかしながら距離が離れるとそれだけ通信に時間がかかりますのでそれを考慮すると東京リージョンか大阪リージョンが地理的に近くお勧めです。

リージョン概要図

ゾーン

こちらはリージョンの中でさらにデータセンターの場所が分かれておりインスタンスを作成するサーバのあるデータセンターを選ぶことができます。
と言っても場所は非公開なので東京リージョンの場合はa,b,cから選ぶような形となっています。

注意点

リージョンとゾーンを選択する場合に注意していただきたいのは、リージョン、ゾーンによって使えるサービスに制限がかかる場合があるということです。
例えば東京リージョンではN2DやC2Dといったマシンシリーズは選択できません。

ブートディスクとイメージ

ブートディスクとイメージはストレージの容量やOSの種類を選択することができます。

ブートディスク

ブートディスクはその名の通りOSを保存してインスタンスを起動させるために必要なストレージです。
GCEとして準備されているブートディスクは、「永続ディスク(PD)」と呼ばれ書き込み読み込み速度、HDD、SSDとするかなどで複数の種類が用意されています。
最小サイズは10GBから最大サイズ64TBまで準備させれているので自分の必要な容量を設定できます。 ただ10GBあればインスタンスの起動に関しては問題なくできると思います。

イメージ

イメージではGCPによってサポートされているOSイメージまたは、自分が持っているOSイメージを登録して使用することができます。
古いバージョンのOSを使いたい場合など特別な理由がなければ、GCPが提供しているOSイメージで問題ないかと思います。
またコンテナも作成することができるので、コンテナを使った開発を行ってみたい方もこちらのイメージから設定するだけで簡単に使用することができます。
ただ注意しなければならないのは無料のOSイメージと有料のOSイメージがあることです。
お金が関わってくるので自分が使用したいOSイメージは事前に決めておく必要があります。

終わりに

今回はインスタンスを作る前に考えるべき3つの項目を紹介しました。
他にも設定値があるので用途に応じて使用してください。
これからもGCPについて学習して情報更新していければと思います。
それでは。

参照

仮想マシン インスタンス  |  Compute Engine ドキュメント  |  Google Cloud